読了

夏の闇 (新潮文庫)

夏の闇 (新潮文庫)

 開高健はエッセイしか読んだことがなかったんだが、小説も素晴らしい。
 この小説は雑誌で誰かが褒めてたので何年か前に買ったまま放置していた。
 三日かけて読んだ。
 描写が鮮やかだ。言葉の取捨選択が凄いと思った。とくに食事や性の描き方が深遠だ。
 濃厚な描写の向こうを私はちゃんと読み取れているか自信ないなぁ。
 異国の地で再会する男女。時折ヒヤッとする対話が交わされる。男の倦怠と女の孤独が読み進めると切実になっていく。
 これは純文学なのか、私は恋愛小説として読んだ。
 小説で聞いた事の無い料理が出てきて、読むだけでとても美味しそうだった。
 共感したのは眠りの質についての考察だ。気持ち良い睡眠を私は最近味わってないと読んでいて思った。