本を読んだがどう感想を書くべきかわからない

 「ヴェイユの言葉」という本を読み終えた。ヴェイユの著作自体はもう何年も読んでいないんだが、読んでいて感触を思い出した。そうそう、この感じだ。いつかきっと彼女の文章を理解したいと思い、以前向き合った言葉がいくつかこの本にはまとめられている。



私はこうして何年かぶりに読んで……、やっぱりわからないままだった。
 皮相な意味でわかることはわかる。私の理解に引き寄せて、「そういうことだよね」と文章を噛み砕いた。しかしその読み方が、もしかして誤りではないかと読んでる途中で思い始める。文章を私の理解に引き寄せるのは間違っているかもしれない。それは断章の一つに、表象されたものを加工せず受け入れねばならないようなことが書かれていたからだ。読み方自体が誤読かもしれないと不安になる。そしてこの読み方は強引な気がしていたので、理解よりも文章をそのまま読み、理解できないものは自分なりの注釈をせずにわからないまま読むことにした。そうすると言葉が抜けていくことが多い。理解できずその言葉が浮遊して感触も無く抜けていく。
 つまり理解できないまま、ただ文章を視線でなぞり終えたのだ。これを読んだとは言えないと思う。
 すると、読むとはどういうことかわからなくなってきた。私は馬鹿だとこういうとき、痛烈に実感する。
 過去において理解できないまま文章を読み終えた本の多いこと……。
 この本では全てが理解できないわけでもない。個人的に部分としてはわかる。なのに全体としてわかったとはいえない。
 「神の不在」の説明も読んでいてわかったつもりだったが、自分の言葉では書くのはうまくできない。一生の宿題だな。
追記10/12。
 上記を若干修正。