鋼鉄の白兎騎士団 III (ファミ通文庫)

鋼鉄の白兎騎士団 III (ファミ通文庫)

 読み終えた。実に面白かった。
 仕掛ける側と仕掛けられる側のそれぞれが描かれる。仕掛ける側の作戦も成功する可能性は低い。けれども仕掛けられた方も公に動けない。多くの死者が出ては勝つ意味もない。互いに読み合いの末、勝つのはどっちか。
 とはいえ読者はあらがじめ勝者がわかっている。だが相手の作戦を知らない雛達の心情を作者は描写し、そこに私はこの小説の魅力を覚えた。
 だって、本当に予想通り動くかどうかをジアンら雛は副団長とガブリエルの推論でしか確証がないんだよ。普通、ついていけないよ。それでも雛たちは実行するのだ。
 首謀者の彼女の過去と動機も描かれ、充実した内容だった。
 次巻がとても楽しみだ。