〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性

〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性

 ようやく読了した。7月の大半をこの書物と過ごした。
 とても面白かった。読んで良かった。
 戦後思想の流れと政治的運動の関わり、戦後民主主義とは何かについて書かれている。
 戦後民主主義と、一概に言えないことがわかった。
 詳細に検証されていたのは、戦後思想は各人の戦争体験に基づいて語られていたことだ。
 そして世代によって戦争体験と戦争観の相違があることが示される。そう厳密に言うと戦争体験は世代、階層、住んでいた地域、戦闘や空襲の体験あるなしによって違うようなのだ。これは私には驚きだった。空襲体験の無い人もあの時代いたようだ。また敗戦を解放と感じた人いれば、価値観の崩壊としてしか感じれない人もいたのだ。
 これはとても勉強になった。
 戦後思想を通史的に学ばさせてもらった。鶴見俊輔が好きになった。この人の著作を読みたい。
 
 少し覚えておきたいと思ったこと。全国的運動と思っていた安保闘争は都市部が中心であり、当時安保運動自体があったことを知らなかった人もいたらしい。