族長の秋 他6篇

族長の秋 他6篇

『族長の秋その他の短編』を読んだ。 
 「大きな翼のある、ひどく年取った男」
 「奇跡の行商人、善人のブラカマン」
 「幽霊船の最後の航海」
 「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨な物語」
 「この世でいちばん美しい水死人」
 「族長の秋」
 
 この六編の作品が収められている。
 この中で一番の印象に残ったのは「族長の秋」になる。
 「族長の秋」は文章の完成度、密度が凄い。入り組んだ文章は読んでるうちにまきこまれて、どこに中心があるかわからなくなり、誰の語りかを見失いつつも、こういう文章なのかと慣れてくると面白くなってくる。
 そして読み終わると何か不気味な感じが残った。
 解説読んでみると、あからさまな神話のモチーフがあったのに、私は気づくことができなかった。
 「百年の孤独」を読んでみたくなった。