黄白って金銭のことらしい

どうで死ぬ身の一踊り

どうで死ぬ身の一踊り

 
 この作品は、ある亡くなった小説家に心酔した男性の話だ。
 
 読み終わり思ったのは、作者があえて描き作ったこの男性への気分の悪さだった。
 この男性が同居女性との諍いでのキレっぷりが嫌だった。
 他人にはとても些細なことに思えるんだが、この男性は怒りまくる。これがとても読んでいて辛かった。
 だが読んだ人が気分が悪くなるよう書けるのは凄い技術ということもわかる。
 一方で喧嘩して言い合う男女の台詞は、少々うまいこと言う嫌味の表現が多いので笑えた。
 この面白さが緩衝材になって、なんとか最後まで読むことが出来た。
 偏屈な人物像を見事に描いてると思った。