素粒子

素粒子

 興味深く読ませてもらった。
 訳者あとがきによれば、本作は現代社会を痛烈に批判したセンセーショナルな作品のようだ。
 フランス社会の常識を知らないので過剰に描かれているのかどうかもわからないが、刺激的なシーンも多い。
 だが私が読んで感じたのは、あきらめだ。もう流されるしかないんだろうなという無力感。
 また登場人物ブリュレに対しては私も同じように身体的コンプレックスをいくつか抱え込んでいるので、共感してしまい辛い思いをシンクロさせた。
 そして最後のまとめ方もちょっとびっくりさせられた。