マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

 メイドのジニーが見つけてしまったのは殺人の告白が書かれた日記だった。この日記は屋敷の誰かが頻繁に書いてるのに誰が書いているのかわからないのだ。
 この小説の大半は殺人者の日記とジニーの日記が交互に展開する。作品の構造はずっと変わらないんだけど、飽きることなく読めた。
 読み始めたときはジニーは年老いた女性のイメージだったんだが、ジニーの日記を読んでる内にまだ若いんだということが日記からわかってきた。
 個人的にジニーの日記を読むのが途中から楽しくなってくる。ジニーを応援し心配しながら夢中で読み進めた。そのため誰が犯人なのかというよりジニーがどうなるのかなということが興味の中心になっていた。